母島列島の海について
HaHaJIMA
歴史上一度も他の陸地と接したことのない、”絶海の孤島”小笠原。
伊豆半島とミクロネシア、両者の中間に位置するこの場所は、独特の生物相で構成されています。
外洋であることに加え、大きな海流に阻まれ周囲から隔絶された環境にあるここ小笠原では、
オセアニア、ミクロネシア、東南アジア、日本列島など様々な場所から偶然たどり着いた生物達が、
「奇跡のるつぼ」のような独特の海中景色を織り成します。
母島をはじめ、向島、姉島、妹島、姪島など大小様々な島嶼から構成される母島列島は、
東京から約28時間かかる「日本で一番遠い場所」。
今なお手付かずの大自然が残っています。
父島から遅れること1999年、この地に初めてダイビングショップが誕生しました。
以来、この島にダイビングショップは一軒だけ。
スタッフ達でさえ、潜るたび出会う新しい発見に驚かされるここ母島の海は、まさに現代版のジュラシックパーク。
そのほんの一部分を、ここでご紹介します。
POINT MAP
母島
母島周りのダイビングの醍醐味は、何と言ってもその『バリエーションの豊かさ』!
潮がブン流れる、スタッフ達ですらほぼ未開拓の本物の”秘境”(ほとんど行くことはできませんが...)。大小様々な魚がぐっちゃり入り乱れるダイナミックなドロップオフ。通年会えるイルカに加え、シーズンに現れるザトウクジラなどの海産哺乳類たち。垂直に切り立つ崖沿いを群れる巨大なイソマグロ。攻めるダイビングばかりかと思えば、光差し込む静かな浅場には、巨大なサンゴの群集(もちろんその上にはたくさんの根魚たち)があったり。どこまでも続く明るい砂地にポツリと残された沈船。潮を使ってサプライズに期待するアドベンチャー感溢れるダイビングから、煌びやかな生物をじっくりと撮影するダイビングまで。
切り立った東側と、砂地が混じる西側とで、大きく海中風景が異なるのも魅力です。
沖のはえ
秘境母島で最も「ぶっ飛んだポイント」はどこか?と聞かれれば、全会一致でここでしょう。
外洋と島周りの海との連絡口。潮流は大抵川のようにどんぶらこ、複雑な流れの海中はまるで洗濯機。特別なコンディションが揃ったタイミングでしか入ることのできない、まさにスペシャルなポイント。
一体どんなドラマが起こるのか、正直スタッフも分かっていません。
サワラ根
たいがいかなり潮が速く、コンディションが良くないと中々入れない。
外洋に面しており、回遊魚の数、種類に圧倒される。無限に湧いてくるクマザサハナムロ、そこに入り乱れるロウニンアジやカッポレといったアジ類、サワラやイソマグロにサメなども。
視界の情報量に脳がパンクしそうになりながら深度を落とせば、ボトムにはシロワニがいたりいなかったり。
この場所に入れたあなたはとってもラッキーです。
四本岩
母島を代表する超級ポイント。
垂直にそそり立つ岩の間をゆったりと回遊する、巨大なイソマグロ。ピーク時には100本を超えるその光景は、まさに圧巻の一言。
水路の出入口には、ノコギリダイ、ヨスジフエダイ、巨大なフエダイやハタ類など根魚がごっちゃりと群れていて...
魚種の多さ、魚影の濃さに圧倒される。
かと思えばウミウシ類も豊富に観察できたり、とっても懐の深いポイント。
そんな「母島総集編」、なんと港から船で5分でご到着。

蓬莱根沈船
真っ白で広大な砂地の底に沈む第二西海丸。
ブイを取りひとたびドボンと飛び込めば、沈船をバックに中層を乱舞するツバメウオ。沈船には家路を失った魚たちが巨大コロニーを形成し、そこにアザハタ王が君臨する。
めくるめく光景は、果たして現実か、幻想か。
ウエントロ
浅い棚に広がる、母島列島最大のサンゴ礁。高水温の影響をひっそりと逃れ、生き永らえてきた大きな大きなサンゴ達。それらを横目に深度を落とせば、固有種ミズタマヤッコのコロニーも。安全停止中にブラックマンタに逢えたあなたは、きっと強運の持ち主です。

母島から船を10分〜30分ほど走らせると、そこには無人島群が連なっています。沖港正面に見えるのは向島、平島、その南には東西に姪島、妹島、そして姉島。
無人島群の魅力は何と言っても『ありのままむき出しの海と出会えること』!
人の手が入っていない、母島周りよりも濃い魚影。切り立った沈み根には、何処からともなく湧いてくるクマザサハナムロやウメイロモドキ。そこを入れ替わり立ち替わり通りかかる”強き者”たち。ステージの上で、岩に捕まって待つだけで、水面下で繰り広げられるむき出しの大自然のドラマを無人島群の海は見せてくれます。
そして、高水温の影響を逃れて、長い年月を生き永らえてきた見事なサンゴの絨毯。イルカとの遭遇率も高く、彼らがそんなサンゴの上で戯れる姿は、母島周りでは見ることが出来ないものです。
そんな無人島群を潜れるのは、実はここDIVE RESORT HaHaJIMAの特権なんです。
無人島群(向島・姉島はじめ8島)

向島
マグロ穴
ぽっかり口を開けた洞窟の暗がりは、シーズン中はイソマグロ達のパラダイス。
その中に、アジ類やサメまで混ざってきたりも。
深度を落とせば、固有種ボニンハナダイやニラミハナダイ、ヘルフリッチなども。
マグロが不在でも、幻想的な地形も見所のポイントです。
そんな"向島マグロ穴"、なんと港からたったの10分。
万吉場
海底一面に広がる見事なコモンシコロサンゴ群、そこには多くの根魚が集まる。そこかしこに大きなアオウミガメが休憩している風景はとっても個性的。固有種ミズタマヤッコが衝撃的な浅さで見られる場所でもある。
冬場は言わずと知れたホエールダイビングの穴場。
ある者はここで、神を見たと言う。

平島
アナダイ
どこぞの庭園のように広がる様々な珊瑚。特筆すべきは、浅場に広がった広大なコモンシコロサンゴの群生。そして、そこに集まる幾多の魚達。差し込む眩い光に踊る姿には、時を忘れます。根魚の数はきっと日本一。
楽園とはこの場所のことを言うのだろうか。
姉島
二本岩北沈根
姉島の南、外洋に面した沖に突如せり立つ一対の奇岩。その水面下にも双子の根が沈んでいる。ウメイロモドキ、クマザサハナムロがぐっちゃりと乱舞し、それらを目当てに海原を駆ける強き者たちが入り乱れる。地球のダイナミズムを感じずにはいられない。
ローソク岩
釣りの超一級ポイント、ローソク岩。大物釣り師憧れのこの岩の水面下で、繰り広げられるドラマ。
妹島
へそ岩
見るもの全て群れ。クジラにもイルカにも会えたスペシャルな場所。

ブルーリボン
辺り一面のミドリイシサンゴの絨毯の上には、老成したホウセキキントキとヨスジフエダイの大河が流れている。
サンゴの棚下を覗けば、アジアコショウダイのマンションが。
上を見上げると絶え間なく流れては消えて行くウメイロモドキたち。一体どこへ向かうのか。

姪島
西海岸
ブイ下へ降りていけば、光溢れる明るい海中はサンゴの楽園。
深度を落として砂地へ向かうと、まばらに沈む根には砂漠のオアシスを彷彿とさせる魚達のコロニー。ニョロニョロのあいつもいたりします。
かと思えば時折サプライズも訪れるのだから、ひと時も気が抜けません。
夜釣り根
母島列島の東端、沖のはえと並ぶ”ぶっ飛びポイント”。生憎、この場所を語れるほどの物を持ち合わせておりません。
SEASONAL TABLE

1月ー3月
一本だけならスキンの5mmでも耐えられるかもしれないけれど...ジャージの5mmは20分もすればダイビングどころではなくなります。
無難にドライスーツがおすすめ。
4月ー5月
陸上では夏が来た!と錯覚しがちですが、まだまだ水は冷たく。
ロクハン、フードベストやインナーなど、体温保持を心がけた装備で潜りましょう。
6月
5mmのジャージで大丈夫です。
7月ー9月
表層は3mmでも平気なぐらい。でも、時々すごくひんやりした潮にあたるので、5mmを着ましょう。
10月ー11月
5mmで大丈夫ですが、風のある日は船に上がった後が冷えます。
吹く日はボートコート を用意しますね。
12月
ロクハンがベストです。
